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用語集

 当院における、治療抵抗性うつ病に対する維持m-ECTの取り組み

当院における、治療抵抗性うつ病に対する維持m-ECTの取り組み

高橋寿直、網野賀一郎、福田真道、木内健二郎、片山成仁(成仁病院)

 

【背景】うつ病に対する修正型電気けいれん療法(以下、m-ECT)の反応率は、薬物療法よりもすぐれているといわれている。一方で、m-ECTは効果持続が短いため、寛解維持の治療戦略が問題となる。寛解維持のために維持m-ECTが有効であるとする報告は多数存在する。特に治療抵抗性例を中心に、維持ECTがうつ病の寛解導入、寛解維持に有効である可能性がある。当院では、治療抵抗性うつ病の早期の寛解導入を目指して、倫理的な配慮をしつつ、維持m-ECTの適応を積極的に検討している。今回、維持m-ECTが有効であった治療抵抗性うつ病の一症例を経験したため、当院での維持m-ECTに関する取り組みと併せて報告する。

 

症例】31歳男性。X年(20歳時)に発症し、同年近医精神科診療所にてうつ病と診断。以後約10年間、約10か所の精神科診療所にて継続的に加療してきた。これまでに、milnacipran,paroxetine,amoxapine,clomipramineと様々な薬物療法を受けたが改善せず、X+11年10月5日、m-ECT目的にて当院紹介初診となった(初診時HAM-D )。計6回のm-ECTを施行したところ部分寛解が得られた。その後、自然経過を観察していたが、11月末に再発しため、維持m-ECTを導入し、改善した。以後、現在まで維持m-ECTのみで寛解を維持している。

 

【考察】本症例は維持m-ECTが有効であった治療抵抗性うつ病の一症例である。抑うつ状態の遷延がうつ病を難治化する可能性が示唆されているため、早期に寛解を導入することが重要だと考えられる。そのために維持m-ECTが有効であると考えられる。今後はその有効性を検証するため、当院では症例の集積を試みている。また、高齢、妊娠中、合併症、副作用のため薬剤に対する忍容性が低い問題があるときも維持m-ECTは有効だと考えられる。

 

発表用スライド

 

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