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用語集
デイケア導入における経由と転帰の比較
デイケア導入における経由と転帰の比較
── 外来患者、退院患者、新規患者による転帰の違い ──
○加藤隆寛(OT)藤松久恵(OT)片山成仁(Dr)
成仁病院(東京都)
キーワード: デイケア 転帰 機能分化
「はじめに」
デイケアの機能分化が注目される中で、デイケアの特徴、患者の特徴は、考えなければならない事項である。そこで、デイケア導入の経由により、転帰に特徴を見いだせるのではないかと考え、検証する。
「対象」
平成21年1月1日から平成21年12月31日までに在籍したデイケア患者89名。
A群:定期外来受診→デイケア導入 34名
B群:外来受診→入院退院→デイケア導入 19名
C群:定期受診せず→入院退院→デイケア導入 36名。
「方法」
3群において各比較を行う。
・導入目的:[生活改善] [技術習得] [症状改善]
・卒業理由:[ステップアップ] [目標達成・変更] [症状悪化]
・平均卒業日数:153日 ・1年以上在籍率:38%
「結果」
・導入目的:3群いずれも[生活改善]が多く、A群では[技術習得]も多く[症状改善]はない。
・卒業理由:A群では、[ステップアップ] [目標達成・変更]が多い。[症状悪化]が少ない。
B群では、[目標達成・変更]が多い。
C群では、[ステップアップ]が多いが、[症状悪化]も多い。
・平均卒業日数:A群257日 B群134日 C群107日
・一年以上在籍率:A群51% B群55% C群25% C群の卒業者で一年以上在籍はない。
「考察」
A群の特徴は、時間をかけて技術習得することによって、ステップアップしやすいと考えられる。
B群の特徴は、症状安定後に、A群と同じような経過をたどりやすいと考えられる。
C群の特徴は、症状が不安定であるが、結果がでやすいと考えられる。
デイケア導入の経由の違いは、患者の症状の違いでもあり、A群のように、安定化し慢性期化した患者に対しては、技術習得が必要であり、時間はかかるが、症状悪化が少ない。反面、C群では、症状が不安定であり、生活改善によりステップアップが可能だが、症状悪化も多い。
「結論」
デイケア導入の経由の違いにより、転帰の仕方に違いがみられ、A群、B群、C群において、それぞれ特徴を見いだすことができた。