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用語集

 看護シンポジウム参加報告

看護シンポジウムに参加して

医療法人社団成仁病院 プライマリー長 吉見聖伸

 

今回私は、東京都看護協会東部地区支部の看護シンポジウム「看護の輝き見つけた!」にシンポジストとして参加させていただきました。

看護師はなぜ辞めるのか? 永遠の課題とも思える問題に、従来とは異なる視点から改善策を提起し、その結果をお話ししました。

今回、当院で行っている幾つかの離職防止対策を紹介したのですが、一番インパクトが強かった話題が「怒らない怒られない世界の構築」でした。

世界の構築などというと壮大な内容になりそうですが実は内容はシンプルで、私たちが無意識に感じている非常に主観的な「~は、~べきでなければいけない」という、心理学でいう怒りの元になる「~べき思考」をひとつひとつ職場から排除していこうという取り組みであります。

それは従来の、看護師は看護手技から患者対応に至るまでオールマィティにこなさなければいけないという、今まで何の疑問も持たなかった固定・普遍化された価値観を転換し、業務上の得意分野のみを伸ばしてくという、従来の広く浅くという幅広い視点から、狭く深くという、限定された業務に特化した看護師を育て、それらが集合することにより、チームナーシングが生まれるという新しい看護の概念だともいえます。

苦手分野をトレーニングして自らを強化していくことも重要ですが、得意分野のみに着目し、ストレスが軽減された状態で自然に成長できるほうが人間らしくもあります。

当院は、看護師はオールマイティに仕事を「すべき」ではなく、得意分野「だけ」すればよいのです。「すべき」と「だけ」は同じ限定した意味合いを持つ助動詞ですが、「すべき」は受動的な意味合いであるものに対して、「だけ」は自発的な意味合いを持つ、従来の業務へ取り組む視点への変換ともいえます。

更に、「~べき思考」から「~だけ思考」に変換された業務環境の提供により、より自発的な視点が育ち、看護師ひとりひとりが自主性・自立性を持つこともできます。

今回のシンポジウムでは、現在の看護師を取り巻く状況を生で感じることのできる良い機会でした。既存の対策を精度化させるか、新しい試みを講じるか。後者を選択した当院は、まだまだ課題も山積みです。しかし“ストレス”が大きなテーマとなる精神科の世界で、ストレス緩和を主とした職場環境モデルは、対職員と同様に患者様にも、よりよい看護としての還元も可能だと信じております。

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