私は主に患者さんの入院から退院までをサポートしていて、患者さんがどのような状態になったら退院できるのか、入院時点での病状や患者さんの環境を踏まえて予測して動いていく仕事をしています。あとはトリアージという仕事も行うこともあります。トリアージは警察や病院、保健所、児童相談所など色んなところから入る救急相談を、病状やその人の環境を踏まえて部屋を選定し、スムーズに入院調整に進められるように対応しています。

例えば、希死念慮（死にたい気持ちがある）が主訴で入院相談してきた患者さんの場合で説明しますが、希死念慮は精神科の中でもかなり重い症状です。自殺にもつながる可能性がある危険な状態ですので、重症な患者さんが入院するERやICUといった保護室などの集中治療室での治療が必要と判断することができます。しかし、希死念慮の程度にも幅があって、希死念慮があるだけで保護室の選定をするのではなく、行動化（実際に行動に移しているか）していているのかどうかや、切迫しているのかどうか、他の精神症状の影響はあるのかなど様々な視点から希死念慮をアセスメントして、軽症な希死念慮ということであれば大部屋を選定することもあります。「症状＝こういう治療」といかないところが精神科の難しい所であって、楽しい所だと思います。そういった判断を入院相談では行っています。

私は、教育委員会に所属していて、委員会では会議の日程調整や議事録の作成の役割を担っています。また新人看護師への研修を担当したり、資料作成をしたりしています。委員会以外では、成仁病院で販売している抗原検査キットで陽性の判定が出た患者さんに対してオンライン診療をするための調整も行なっています。年数を重ねていくと部署としての仕事以外にも挑戦することが増えていきます。

また、今年入った新人の方のチューターの役割があります。チューターというのは相談役という意味で、新人さんが相談しやすいように日々関わっています。実際にはまだ新人さんが本格的な仕事をしていないので、あまり指導をすることはないのですが、これからしっかりサポートしていきたいと思っています。

同じことを聞いたり、何度も確認したりしても、嫌な顔をしないで教えてもらえたので、分からないことが、そのままになってしまうことがなくて、病院ですので業務をする上で緊張感はあっても、人に対して不安を覚えながら仕事したことは一回もないです。自分も何回も質問されることがありますが、全然不快には思わないです。

多少指導する立場にはなりましたが、3年では精神科を極めることはできなくて、自分ひとりでは太刀打ちできないケースワークが困難な患者さんがいらっしゃいます。そういう患者さんには、チーム内で自分の方針を伝えて相談をしています。このときにアドバイスをもらうことはありますね。

ケースワークが困難な患者さんっていうのは、精神疾患のある方は、病気のせいで仕事ができなかったり、家族や親戚から見放されてしまうことがあります。家族がいなくて、仕事をしていないとなると、退院する場所をみつけることがとても大変になるんです。生活保護を手続きしなくちゃいけなかったり、住む家を探さないと行けなかったり、すぐには解決しない問題ばかりです。

成仁の魅力は働きやすいことです。私は仕事内容とかよりも人間関係にすごい不安を感じるタイプなので、その不安が一切ないというだけで働きやすいです。前の職場では威圧的な人が多くて、申し送りをしてもあまり反応がないとか、こうなりたいという先輩が全くいない環境で働いていたので、転職しても同じような環境だったら嫌だなという不安がありました。成仁にはそれがないので、楽しく働けています。

人間関係以外では、自分に合った部署を選択できるというのは大きいと思います。前の職場では時間に追われることが多くて、自分の看護みたいなのをあまり考えられずに接していました。今はACPを選んだことで、処置や日常生活のケアに時間を割かれることもなく、一人一人時間を掛けて関われるようになったのが良かったです。

成仁病院はとてもスタッフの方、みんな温かく優しく迎え入れてくれるので、精神科に希望があって急性期を経験したい方は是非、成仁病院に来てみてください。在宅事業も充実していますので、将来的にそちらに移りたいという方にもピッタリだと思います。