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★役割機能別 看護体制★
【なぜ看護師たちはバーンアウトするのか?】
「看護師は、看護師に求められるあらゆる種類の業務を、全て会得しこなせなければならない」
これは、1854年にナイチンゲールが近代看護を確立してから、現代まで脈々と受け継がれてきた理念です。ナイチンゲールの確立した近代看護が上記理念とともに治療率を劇的に向上させ、大きく医療を発展させたことは周知の事実です。
しかし時は流れ1854年当時と現在では以下の2点で大きく状況が変化しました。
① 医療技術の発展により、看護師に要求される業務量が著しく増加
② 患者・家族の要求水準が上がり、わずかなミスも許されない
どんなにすばらしい理念も状況が変わるとそのまま適用できないこともあります。現在の状況下で上記理念を忠実に守ろうとすると、許容量を超え対応できなくなる人がでてくるのです。事実、昨今では夢をもって就業し熱心に業務に取り組む看護師が大きな壁に直面し無力感を覚え、バーンアウトして看護という仕事から離れていくという事態が多発しています。
【役割機能別業務体制】
そこで成仁では、この問題に対応するため新しい看護体制「役割機能別業務体制」の構築を行いました。看護師たちを役割別に3つに分け、看護師1人1人はその1つのみを行うのです。1つの役割をとことん極めて専門性を磨くという選択肢もあれば、その役割がある程度できるようになったら次の役割へ移り最終的にはオールラウンドに対応できる看護師を目指すという選択肢もあります。
この体制の狙いは以下の3点を実現することです。
①チャンネル切り替えをなくし疲労を軽減する
仕事で疲労する場合、業務自体による疲労もありますが、途中で仕事のタイプを変える、所謂「チャンネルの切り替え」によるストレスが疲労をもたらす場合も少なくありません。この「チャンネルの切り替え」がなくなることにより疲労が軽減され、業務効率があがります。
②業務を深く狭く行うことで早期成長を実感させ自信につなげる
最初からオールラウンドに身につけようとすると、自分の成長を実感し自信をつけるまでに時間がかかります。業務を狭く深く行えば短期間かつ頻繁に自分の成長を実感することができ、自信をつけ前向きに業務に取り組むことができるのです。
③スムーズに業務が進む
誰でも苦手な業務があると意識的・無意識に関わらず少しずつ後回しにしてしまいます。これが起こらないため、業務が滞りなくスムーズに進みます。
この体制の導入により、成仁は現在、精神科救急病院として約100件/月の救急対応、3~6件/日入院対応を行う中で、看護師のバーンアウトをほぼ0とすることができています。
■分類方法 上記の狙いを達成するためにはどのように看護師の役割を分けるべきか、研究の結果以下の4分類に辿りつきました。 【テクニカル】 運動神経的に処理し、繰り返し行うことによってスキルアップする画一的な業務 例】投薬・処置・注射等の手技 【プライマリー】 個別の状況において分析し考えながら対応する業務 例】入退院の対応、クリニカルパス等の計画策定、患者とのコミュニケーション、カルテ記載 【セカンダリー】 特殊事態に対応する業務 例】患者急変・感染症発生・クレーム対応
【ER】 保護室専門看護師 救急対応 ■組織構造の変化 {怖い婦長はいません!!} 各チームの独自機能が確立されることで組織構造も変化しました。看護部長-師長-主任-平という伝統的なピラミッドに代わり、テクニカル・プライマリー・セカンダリーが並列に並ぶフラットな組織が誕生したのです。旧来の管理職の役割が分散して責任のある1人1人の看護師に分配されているということでしょう。各チームでは旧来の主任と呼ばれている看護師が「おにいさん・おねえさん」として丁寧にアドバイスを行いますので新人看護師も無理なく成長することができます。
★役割の選択 テクニカルをするのか、プライマリーかセカンダリーか、役割の選択は本人と法人が相談した上で決定します。そして「テクニカルに入ったけれど、やってみる とあまり自分には向いていないかも」「プライマリーは極めたから次はテクニカルに行きたい」という時も柔軟に対応します。これまでそれぞれの役割についた 職員を分析したところ、性格別に向き不向きが分かれるという結果がはっきりみられたのでここで紹介します。
■ベーシックを希望するまたはベーシックに向いているタイプ ⇒言葉遣いはぶっきらぼうで荒っぽいが運動神経がありさばさばとしている。
■プライマリーを希望するまたはプライマリーに向いているタイプ ⇒優しく人に気を遣うが、人の顔色を見るため決断するのが苦手である。また物事を後に引くことがある。
■セカンダリー・ERを希望するまたはセカンダリーに向いているタイプ ⇒常にスリルとサスペンスを求め、平穏無事ではいられない。喧嘩をふっかけるのが面白い。
★ユニフォーム 成仁では、他スタッフや患者が一目で各看護師の役割を理解できるように、役割別にユニフォームも分けています。 ■テクニカルのユニフォーム ⇒手技を主業務とするテクニカルは、機動力を重視し、吸汗・速乾性に優れ、容易に着脱ができる 手術着を着ています。
■プライマリーのユニフォーム ⇒プライマリーはその業務の特性上、患者やその家族、関係機関と接することが多いため、 相手の方に礼を示すこと、そして一見して看護師と分かることを重視し、白の白衣を着て ナースキャップをつけています。
■セカンダリーのユニフォーム ⇒その業務の特性上、役所との折衝や他機関との渉外を行うことが多いため、 ナース服ではなくスーツを着ています。
★技能の練達 各役割に配置されてから1年弱で、著明なスキル練達が見られます。 「手 技は素早く無駄なく正確に」をスローガンに掲げるテクニカルチームの新人は、所定の処置を定時に終了させることができる他、適切な呼吸管理を修得していま す。プライマリーチームの新人は、入退院調整を含め、患者・家族・医師・他病院を堂々と連携をとれるようになっています。またセカンダリーは、病院の大き な損害・損失を防ぐ役割として、権威ある来客の対応や、理不尽なクレーム対応など、苦なくこなし頼もしい限りです。
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